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M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO レビューVol.4 ボケ編

このページではOM SYSTEM「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」のボケ描写についてレビューを掲載しています。

M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがち。個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくないと感じる。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人がいてもおかしくない。
参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルを以下に示す。

描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によって変化し、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向がある。
特殊な方法として「アポダイゼーション光学素子」などを使って強制的に滲むボケ描写を実現しているレンズも存在する。

実写で確認

ピント面の直前・直後はボケに偏りが少ない、比較的ニュートラルなボケだ。軸上色収差による色づきは残念だが、ボケ質そのものは滑らかで綺麗。ただし、滲むようにボケ始める描写ではない。
ボケが大きくなると、前後のボケ質に違いが現れ始める。比較てして後ボケがより滑らかに、前ボケがより硬い描写となっているのが分かる。とは言え、描写の極端な偏りは見られず、まずまず使い勝手の良い描写に落ち着いている。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

ここで言う「口径食」とはレンズ口径がボケへ影響していることを指す。
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまったりする。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法が無い。しかし、絞ると羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じてF値を変化させる必要あり。

逆に口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが出来る。これは玉ボケに限った話ではなく、一般的な四隅のボケ描写の質感にも繋がる。口径食が強いと、ボケが小さく感じたり、場合によってはボケが荒れてしまう場合もある。
できれば口径食の小さいレンズが好ましいが、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要がある。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生する(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまう。

実写で確認

F1.4の大口径レンズとしては口径食はまずまず良好に抑えられている。周辺部まである程度の円形を維持している。玉ボケの内側は少しざらついているものの、非球面レンズに起因する玉ねぎボケの兆候は見られない。さらに玉ボケの縁取りはほとんどない、非常に綺麗な描写だ。
F2まで絞ると口径食が小さくなるが、ボケの輪郭に色収差が目立つようになる。F2.8まで絞ると口径食はほぼ完全に抑えることが可能だが玉ボケが僅かに角ばるようになる。
全体的に見て非常に肯定的な描写だが、コントラストが高い領域に軸上色収差の影響が見られるのは少し残念だ。

ボケ実写

その1

接写時はボケが大きく、後ボケは非常に滑らかな描写だ。ピント面から背景に向かって徐々に輪郭が溶けている。周辺部の口径食は目立たず、大口径のPROレンズらしい使い勝手を楽しめると思う。絞るとコントラストがしっかりと付くが、ハイライトの滑らかさが少し低下する。

その2

被写体との撮影距離が長くなっても絞り開放は滑らかな描写だ。ボケには縁取りが無く、周辺部や隅のボケ描写にも騒がしさが無いのは評価できる。

その3

さらに撮影距離が長くなるとボケの柔らかさが失われ、周辺部や隅の描写が少し騒がしくなり始める。それでも標準単焦点としては健闘しているように見える。周辺が騒がしい描写になる時はF2まで絞ると緩和する。

参考 FE 40mm F2.5 Gとの比較

フルサイズの40mm F2.5と見比べてみると、ちょうど同程度のボケ量に見える。撮影時期が異なるので正確なことは言えないが、ボケ質はほぼ互角で、周辺部においてF1.4 PROのほうが少し滑らかに見える。

撮影距離

全高170cmの三脚を人物に見立てて撮影。
フレームに全身を入れても背景をなんとかぼかすことが可能。とは言え、被写体を背景から分離することはできない。膝うえ、上半身まで近づくことで十分なボケ量が得られる。ボケ質はまずまず良好だ。バストアップまで近づくと被写体を背景から分離可能。さらに顔のクローズアップで背景を溶かすこともできる。

まとめ

OM SYSTEMが「美しく滲むボケ」と主張しているように、確かに美しいボケが得られるレンズだ。LEICA DGのように線が残るパンチの効いたボケでは無く、線が溶けて被写体が見事に背景から分離している。コントラストが高いシチュエーションでも見事に美しいボケを得られる、状況の変化に強い。また、ピント面から背景まで奥行のある構図で撮影すると、立体感のある描写が得られる。

解像性能はやや期待外れだったが、20mm F1.4の主戦場は近距離での絞り開放にあると思う。使いやすい20mmの画角と美しいボケを得られるのであれば、遠景の解像性能など些細な欠点に過ぎない。
近距離での質感は25mm F1.2 PROとよく似ていると思う。もしもF1.2 PROのボケが気になるのであれば、お試しに20mm F1.4 PROを買ってみるのもアリ。

20mm F1.4 PROの美ボケが活きるのは主に接近時で、撮影距離が長くなるほど恩恵が薄くなる。それでも安い大口径レンズと比べると周辺の描写は良く維持している。もしも隅のボケが荒れる場合はF2?F2.8まで絞ってみるのがおススメだ。若干だが軸上色収差の影響が残っているのも残念だが、滑らかなボケに色づきが目立つ機会は稀である。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて掲載

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